タミヤ:1/48 陸上自衛隊 軽装甲機動車 製作記
タミヤの陸上自衛隊軽装甲車を少しディティールアップし、塗装・ウェザリングを行って作りました。組み立てには基本的な工具(ニッパー、カッター、ヤスリ、接着剤など)に加えて1mmのドリルとピンバイスが必要でした。
以下はその製作記です。
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1/48イングラムが完成して喜んでいたのですが、そばに陸上自衛隊の車両を置けばパトレイバー2っぽい感じになって楽しかろうと思いつきました。
そこで積んであるプラモから陸自の軽装甲車を引っ張り出してきて、それを作ることにしました。イングラムと並べてブンドドしましょう。
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1/48軽装甲車製作 組み立て編
説明書通りに組み立てるだけ。
下回りのこまごまとした部品、パーティングラインもほとんど見えないレベルに成形されていて驚きながら組み立てます。タミヤのプラモってことで仮組もせずに作りましたがまったくノントラブル。
組み立てる途中で、いくつかの仕様を選ぶ必要があります。ルーフにラックがあるやつとか機銃がついてるやつとか。パトレイバーごっこをするなら東京に近い部隊の所属車両がいいかと、御殿場に駐屯する部隊の車両を選びました。いちばんプレーンな仕様です。
選択した仕様ごとにボディに穴をあける必要があるのですが、へんなところに穴をあけてしまうとリカバリーがめんどくさいので慎重にあけます。ここはさすがに仮組しました(開けた穴に取り付ける部品のピンの位置の確認)
ボディのほうは、ワイパーが窓枠とくっついてしまっていること、車体の各所にある取っ手が板で表現されていること、車体各所にあるボルトが省略されていることなどが少し残念。
ディティールアップを考える時にとったメモを下に置いておきます。
下の写真はキットそのままのルーフですが、ディティールが少なくて”つんつるてん”な感じです。
実車ではハッチはたくさんのボルトで止められており、またルーフにもワイヤーカッターなどのオプション装備品を固定するボルトがいくつかあります。
ボディにボルトがたくさん生えてるってのは、軍用車両の「たたごとでない」感じが出るポイントだと思うのでボルトヘッドを植えてやることにしました。
(ボルト・ナット的極小円盤の作り方はこちら)
ボルトその他を追加 |
ネットで見つけた写真を参考に、ディティールを少し追加し、ボルトに見立てた0.1mmプラ板の細切れを貼り付けました。ただ、ボルトはルーフだけでなくドアヒンジなど車体全体にありますので、実写の写真を参考にしてルーフとバランスが取れるように各所に貼り付けてやりました。
かなりめんどくさかったですが、軍用車両っぽい無骨さが出せたのでは。
ワイパーは伸ばしランナーでそれっぽく作りました。
キットのワイパー表現は残念な感じ |
左右で露骨に形がちがいますね。でもこのまま使っちゃいました。窓枠にくっついてるワイパーのモールドは削り落としてしまいます。
工作ほぼ終わった状態 |
ボディの工作がほとんど終わった状態。
ボルトの追加と取っ手を真鍮線に置き換える工作は(自己)満足度が高いのでオススメの工作です。真鍮線の接着には瞬間接着剤を、ボルトの接着にはクレオスの青接着剤を使いました。クレオスの青(タミヤの黄緑)接着剤はこういう細かいものを接着するとき本当に重宝します。
1/48軽装甲車の制作:塗装編
さて塗装です。この車両は陸自の標準的な2色迷彩(緑、茶)で塗られています。ネット写真を見ていると緑と茶色の境目はボカした車両があったりくっきり塗り分けた車両があったりいいかげんな感じです。説明書の図を見るとボカしてあるようなのでそうします。
マスキングして塗り分けるのがいいのでしょうが、今回の場合マスキングすると、せっかく苦労して植えたボルトがマスキングテープに持っていかれる心配があります。
タミヤのHGエアブラシでの細吹き |
なのでマスキングなしで塗り分けようと、細吹きの練習と条件だしをしました。圧力と塗料の濃さをいろいろかえて吹いて見ましたが、圧力を下げると細かい霧になってくれません。上の写真のように白い線の周りに霧にならなかった大きな粒が飛び散ってしまうのが不満です。
思ったように吹けなかったので前から欲しかったクレオスのPS771を買っちゃいました。使って見るとPS771はタミヤのHG0.3mmエアブラシに比べ塗料が綺麗にミストになる印象です。ニードルの出し入れ操作もやりやすいと感じました。まだ全然使いこなせていませんが。
いろいろ試しましたが、結局、いつもの濃さ、いつもの圧力(0.1MPa)で吹くのがいちばん細く吹けました。ハンドピースに慣れてくればまた違った条件になるかもしれません。
はい。基本塗装終了。タミヤのラッカー塗料で塗りました。あれだけ細吹きの練習したのにボケ足が大きくなってしまって少々残念な感じです。細く吹くときにはハンドピースをすばやく動かす必要があってなかなか狙った曲線が引けないんですよね。
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photo1 実車の写真 |
さて、photo1は実車の写真です。ボディ色に明暗のトーンバリエーションがついているのがわかるでしょうか。緑も茶色ものっぺりした色合いではなく色味にムラがあります。ルーフハッチとか露骨に色味がざわついていてカラートーンにバリエーションがあることが見て取れると思います。
このトーンバリエーションが表現したいので、水性アクリルの緑、茶各ボディ色に対して黄色と白を混合して明るい色を、青と黒を混合して暗い色を作りました。明色、暗色を車体全体にムラムラに細吹きし、その後マジックリンを五倍希釈したもので筆を使ってボディを軽く洗い、アクリル塗料の層を中途半端に剥ぎ取りました。
水性アクリルマジックリン剥がしでトーンを追加 |
マジックリン洗浄後が上の写真。狙っていたトーンバリエーション表現がかなりうまくできてしてやったりです。
ここでデカールを貼ってラッカー系のフラットクリアでコートします。水性アクリルの上にラッカー系塗料を塗るのはあまりオススメできませんが、薄く吹くだけなら全然大丈夫です。
続いてウェザリング。
この車両は陸上自衛隊の現役車両なので手入れが行き届いていて、チッピングなどの派手なダメージ表現はほとんど必要無いでしょう。
また僕が想定しているのは、映画パトレイバー2で東京に移動してきた車両なので派手な泥汚れも必要ありません。
なので、控えめにタミヤエナメル(スモーク+茶色+黒+フラットベース)でピンウォッシュを行い、足回りにタミヤアクリルを混ぜて作ったダストミックス(タン+茶色+ジャーマングレイ+中性洗剤+たくさんの水)を塗りました。
手入れが行き届いているとは言っても、この軽装甲車は配備がはじまってから結構な年数が経っており(もっとも若い車両でも2014年の調達ですから7年落ち)資料写真を見るに、各所にサビの気配が見られます。
というわけで、水彩色鉛筆を使ってサビの気配をほんの少し足してやりました。
色鉛筆で点を描いて、アクリル溶剤+水を含ませた筆で周囲となじませる感じです。
タイヤに雌ネジを切って台座と固定 |
はい、できあがり。
反省会
タミヤ製1/48スケールの陸上自衛隊軽装甲機動車を作りました。このキットは、
- 安い
- 組み立て簡単
- かっこいい
という美点の多いキットです。
気になった箇所は
- タイヤの組み立てがややトリッキー
- ワイパーが不恰好
- ルーフにディティールがなくつんつるてん
の3箇所でした。各種取っ手が板になってるのはタミヤ48MMシリーズのお約束だから文句はいいません。ルーフのディティール追加はプラモ作ってる感が味わえるのでオススメの工作です。
また、タイヤは雑に接着したら接着跡と隙間がタイヤ表面に出てしまって、溶きパテで隙間を消す必要がありました。
以上、文句もいいましたがナイスキットでしょう。
さてブンドドの時間です。
以前に作ったイングラム(同じ1/48スケール)を引っ張り出してきて並べるとこんな感じ。
こういう大きさなんですね、装甲車とレイバー。イングラムが蹴飛ばせば軽装甲車一撃じゃね?とも思いますし、いや装甲車だから逆にイングラムの足が壊れるんじゃね?とも思います。
同じスケールのプラモを並べると妄想がはかどります。実に愉快です。
そんで、この軽装甲車のキットを適当に改造して特車二課の指揮車にできるのではないかなあとも思います。いや、改造いらないか。白黒で塗り分けて警視庁デカール貼るだけでイングラムの素敵なお供になるのでは? ルーフハッチから遊馬のフィギュアが上半身出してたりしたらほんとに楽しそうです。
大戦のイギリス装甲車と並べて。
ほとんど同じ大きさですね。ふーむ。
ヘッドライト、サイドミラーあと発煙筒のフタは手を入れるべきだったかなあとも思いますがあんまり工作量増やすと完成しなくなるし、まあよろしい。乾杯。
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