塩による塗膜の劣化表現
塗装面に塩を振りかけ、その上から塗装することで劣化した塗膜を表現する手法。いわゆる塩マスク、塩ウェザリングという新しい手法が出てきました。どんなものか興味があったので試してみました。- 普通に塗装する(黒立ち上げ)
- 中性洗剤を数滴入れた水を、筆で塗装面に塗り込み、濡らす
- 弾かれるが、しつこく筆で揉んでるうちにだんだん濡れてくる
- 塗装面が水で濡れたら、食塩の粒を振りかける
- 乾燥させる(表面は塩の粒で覆われる)
- 食塩の上から、ごく薄く希釈したラッカー系の白を吹きかける
- 白を吹いた10分後に、ごく薄く希釈したラッカー系の黒を吹きかける
- 乾燥後水洗し塩を洗い流す
結果
プラ板に適当にスジボリして普通に黒立ち上げで明灰白色を塗ったものに塩ウェザリングを上述の手順で施した結果が下の写真。上はたっぷり目に、下は普通に吹いたもの。なるほどたしかになんとも言えない独特の塗膜荒れが表現できています。
さっそく当時作っていた模型にこれを試してみたくなり、灰色以外の塗装に塩ウェザリングを行なっても大丈夫か試しました。プラ板に黒立ち上げで明灰白色+赤帯を塗装し、塩ウェザリングしたものが下の写真。
本番を意識して控えめに、赤帯もいい感じにやられています。そこで零戦でやってみました。
写真の撮り方が悪くてあまり効果が見えませんね。
塩ウェザリングの例
その後さらに、ブルドーザーでもやってみました。ブルドーザーの側面の下半分に塩ウェザリングを行なったあとに、パステルで汚していますが、塗膜がざわついている感じがうまいこと出せたんじゃないか。
塩ウェザリングで塗膜が荒れた感じが出るのは以下の理由によると思われます。
- 塗膜が、上からスプレーする塗料のシンナーで侵される
- 塗膜が侵されることで、塗膜がざらついた感じが出る
- 食塩がたくさん付いている箇所は、より大きく侵される
- 大きく侵された箇所は下地の黒が透けて見えるようになる
- 食塩の付着量はムラがあるので、そのムラが仕上がりに反映される
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