このエントリは、タミヤ1/48スケールのT34/76を作った後に書いたものです。
その昔、戦車模型は色塗ってドライブラシ、墨入れ、パステルはたいて、はい完成だったんですが、最近は様々な技巧を重ね合わせて「深み」を出すのが当たり前になっています。
僕も深みが出したいのですが最近の塗装方法よくわからないのです。そして解説本は身の毛がよだつほど高いのです。だからネット名人の真似をするのです。
でも単色ベタ塗りだと食い足りないのですよ。ナチュラルだけど強調するとこ強調してて、情報量が多いそんな塗装法を自分なりにものにしたいのです。
ネット上に眼福な作例と技法を上げてくれている名人はどんな風に塗装してるのでしょうか?
(20190200:イギリス装甲車Humber)
その昔、戦車模型は色塗ってドライブラシ、墨入れ、パステルはたいて、はい完成だったんですが、最近は様々な技巧を重ね合わせて「深み」を出すのが当たり前になっています。
もっと深みを |
どうしたいのか
一時期黒立ち上げ(グラデーション塗装)が一世を風靡しましたが、きつめのグラデーションは僕の好みではありません。また、カラーモジュレーションという技法を派手に効かせた塗装もやはり好みではありません。なんというか母ちゃんの目を盗んで化粧したらお多福になっちゃった中学生の感。でも単色ベタ塗りだと食い足りないのですよ。ナチュラルだけど強調するとこ強調してて、情報量が多いそんな塗装法を自分なりにものにしたいのです。
ネット上に眼福な作例と技法を上げてくれている名人はどんな風に塗装してるのでしょうか?
邦人さんのやりかた
キレのいい模型が眼福で更新を楽しみにしている邦人さんのサイトの4号戦車制作記に、戦車模型の塗装工程がまとめられていました。
全16工程。戦車塗るのにえらい騒ぎです。4号に特化した制作記を、失礼を承知して一般化して下にまとめます。
- 車体色を塗装
- カラーモジュレーション(車体色の陰影)
- フィルタリング(原色をごく薄く塗り変化を出す)
- ウォッシング(シャドウ)
- ドライブラシ(ハイライト)
- つや消しクリアコート
- 細部塗り分け
- 水性アクリルのアルコール落とし(砂埃表現)
- ウォッシング
- 墨入れ
- チッピング
- サビ
- 雨だれ表現
- パステルで足回り汚し
- 金属表現(鉛筆粉)
- 仕上げ
kunihitoさんは折に触れて「実車における光の回り込みを模型でどのように表現するか」について考察されてます。私にとっては「なるほど、わからん」な領域の話なのですが是非サイトに行ってご自分でその考察を読まれて見てはいかがでしょうか。
「ご本人が最新の塗装工程を紹介してらっしゃいます。是非ご一読を (2021/0309)」
Doogさんのやりかた
また、アメリカンモデラーのDoogさんはこんな風に塗っています。いわゆる黒立ち上げ。
(Doogさんはどちらかというと飛行機の人です。この方が書かれたThe Problem with Panel Line Shadingという記事は僕が黒立ち上げに感じていた違和感をそのまま表しているものでした。一読を薦めます。そしてそれは戦車模型にも通じると僕は考えます)
- 黒サフ
- 車体色を塗る(薄く塗りムラで表情をつける)
- 車体色を塗る
- ドライブラシ
- クリア吹いてデカール貼
- ウォッシング
- フィルタリング(油絵具raw umber / burnt sienna / yellow ochre)
- 雨だれ
- 埃表現(AK)
- ピグメント
いっけんDoogさんの方が工程が短く思えるけれど、金属表現とか仕上げの工程をドロップしているのだとすれば、ほぼ同じ手間をかけていると思われます。現代の模型はこれだけの工程を重ねて深みを出すのだなあと驚くばかりです。
トライ工程
お2人の工程を参考に、次の模型の塗装工程を作ってみました。
- 黒サフ
- 車体色(ムラ)
- 車体色(ベタ)
- ドライブラシ(ハイライト)
- 光沢クリア(デカール用)
- デカール
- つや消しクリア
- 細部塗り分け
- ウォッシング(パステル泥水)
- ウォッシング(エナメル)
- フィルタリング(油絵の具)
- つや消しクリア
- 墨入れ
- チッピング
- サビ
- 雨だれ
- パステル
黒立ち上げにしたのは、1回やってみたかったから。次の戦車モデルでやってみましょう。
(20180701:チャーチルでやろうとしてみました)
上の文章まとめた後に作ったチャーチルで真似をしようとしたのですが、なかなか難しく全然真似しきれませんでした。
(20180701:チャーチルでやろうとしてみました)
もっといろんな色の気配をつけたほうがよかったか? |
(20190200:イギリス装甲車Humber)
ベタ塗り、アルコール落とし、ウォッシング程度での仕上げ |
どうもカラーモジュレーションの考え方になじめず、モジュレーションせず代わりにアルコール落としをやってみましたが、ちょっと食いたいりない感じ。やっぱカラーモジュレーションはやったほうがいいようです。
塗装以前に砲塔のアンテナ基部をディテールアップしたほうがいい気もします。
このエントリをアップした後に、世界的なAFVモデラーのMartin Kovacさんがご自分のyoutubeチャンネルを作られました。AFVを志向する方はぜひそのチャンネルをご覧ください。またそのレジュメを作ったのでぜひご覧ください。履帯の塗装表現とかこれ以上の表現があるんだろうかって考え込んじゃうくらいすごいです。
1.03 20210309
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