オルゴール・ムーブメントの修理

 先日、ミッキーマウスのオルゴールを修理しましたが、その際に壊れたムーブメントが残ってしまったので、それを修理します。

Sankyoの18弁ムーブメント

右の壊れたムーブメントから、弁とドラムを左の新品ムーブメントに移植して、修理しました。右のムーブメントは壊れたままなので修理します。

症状は、ムーブメントの左上にある香箱(ゼンマイが収まっているケース)から、ゼンマイが外れて巻けなくなっているというものです。


↑みたいに修理していきます。 香箱を止めているカシメ箇所(リベット?)をドリルでもんで香箱を外します。


香箱にゼンマイが引っかかっていた部分が、ゼンマイの巻きすぎでちぎれてしまっています。これを、もとのT字形状に加工してやります。


ダイヤモンドビット必須

ゼンマイは焼きが入った鋼でできているのでそう簡単には加工できません。 硬いので普通の金属ヤスリでは刃が立たないのです。ダイヤモンド工具でないと加工が難しいです。

リューターにダイヤモンドビットをつけ、もとどおりのT字に加工していきます。
T字に戻りました

↑は加工が終わった状態。T字になっています。

香箱にゼンマイを引っ掛けた状態↑。
香箱にゼンマイを収めるのは結構苦労します。
収まったら、ゼンマイと香箱が擦れる部分にタミヤのモリブデングリスを塗り、中心の軸にタミヤのセラミックグリス、ゼンマイ全体に刃物油をそれぞれ(ちょびっと)塗ってやります。

香箱をフレームに固定するために、1.6mmの下穴をあけ、M2のタップでフレームにネジを切って、
タップを立てる
M2のネジで固定します。(香箱側の穴はφ2.5mmに広げてやる)
香箱を固定できたら、ドラムと弁を戻します。
その後、ムーブメントが滑らかに動くように、ちゃんと音が鳴るように調整します。この調整は何度も試行錯誤しながらの調整になり、とても手間がかかります。精密な機構なのでちょっとズレるとすぐ動かなくなるためです。


箱に固定して、修理完了。
結構手間がかかるオルゴールムーブメントの修理でした。



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