ミッキーマウス オルゴールの修理

 ミッキーマウスのオルゴールを修理します。ゼンマイが巻けないという典型的な壊れ方。

ゼンマイが巻けない故障

よかった。SANKYOだ
分解するとSANKYOの18弁オルゴールムーブメントでした。コピー品じゃなくSANKYO純正。すばらしい。
ゼンマイバネが香箱(ゼンマイを入れる箱、↑写真だと左上の円筒)から外れてしまって巻けなくなっていました。ムーブメントから香箱をとりはずして修理することもできるのですが、ものすごく面倒な修理になります。

とりあえず修理を急ぎたかったので手持ちの同じ形式(奏でる曲はちがう)のムーブメントを持ってきて…

金閣と銀閣

ドラムと弁を移植してやります。同じ型のムーブメントだったら、ドラムと弁を交換すれば音は出せるようになります。


弁は、普通のドライバーで簡単に外せますが、ドラムの固定ネジは弛めるのに苦労します。僕はリューターの歯をバイスプライヤーで咥え、押し付けるように回して緩めます。

こんな感じで外す

◼︎注意:ゼンマイが巻かれている状態でドラムを外すと、ゼンマイが一気に解放され危ないうえに、高い確率でゼンマイのバネがゼンマイ軸から外れてしまい、ムーブメントが壊れるので、完全にゼンマイが緩み切ってから作業するようにしてください。真似して怪我したり壊したりしても責任とりません。


外したドラムと弁を、動作するムーブメントに移植し、弁とドラムの位置を調整します。弁とドラムの隙間が0.1mm強(ポストイット1枚が楽に差し込めるくらい)くらいに調整するといい感じになるようです。

移植完了

この状態(ムーブメント単体)でオルゴールを鳴らすと、貧相な音しかせず心配になりますが、エンクロージャ(木箱とか、この修理の場合はミッキー)に入れてやるとよく響くようになります。大人でも意外なほど音の響きがかわるので、子供の前で単体で鳴らしたあとに箱に入れて鳴らすとびっくりする顔が見れて面白いです。

洗ってもいいという話なので、ミッキーを洗濯洗剤で洗ってきれいにしてやり、ムーブメントを元どおりに組み付けて修理完了です。

見かけ変わりませんが修理完了

入っていた曲はミッキーマウス・マーチでした。この曲を聴くとどうしてもフルメタルジャケットという映画を思い出すのは爺さんあるあるなのだけど、それはともかくマーチを奏でながらミッキーが回転します。18弁だからリッチな音ではないけれど、ちょっと切なくなるようなこの響きはオルゴールならではのものです。

オルゴールはめいっぱいゼンマイを巻いて動かすような使い方はしないほうがいいです。めいっぱい巻くと壊れやすいしね。

数回転まいて、ゆったり音を楽しんでください。

オルゴール・ムーブメントの修理編はこちら

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